サウスポーの選手はどういう動きをするかというと、立ち位置としては相手の外を取ります。これはストレートを当てやすく、相手のストレートを避けやすくするためです。サウスポーは外を取れが鉄則です。まず外の取り合いからです。そして空いた顔、または相手の利き腕や体正面への左ミドル、返しの右フック、この3つがサウスポーの王道の組み立て。シンプルです。でもこれがとても有効なんです。何故なら相手がサウスポーに慣れていないから。距離が半歩分遠いんですよね。
では相手はそれにどう対応するかというと、一番はサウスポーとたくさん練習や試合をして慣れること。これに尽きます。距離感の修正が出来るかどうか。それとどう動くかというのは、サウスポーと同じです。鏡合わせの動きをすれば良い。まず外を取る。そして右ミドル、右ストレート、返しの左フック。さらに対サウスポーに於いてはもう1つ有効な攻撃箇所があります。それはレバーです。ここは体の前に出ています。弱点が近いんです。だからここに前蹴りやパンチのボディで攻められるのをサウスポーは嫌がります。
サウスポー有利とよく言われますが、実際はサウスポーの方が弱点の数だけでみれば一箇所多いんです。よくサウスポーの左ミドルの先にはレバーがあるから効果的と言われますが、実際はレバーにはほとんど当てられません。難しいです。それよりも体全体を止めるためや、利き腕を殺すために使うことの方が多いです。
ちなみに武尊選手はもう相当長いことミットも対人もサウスポーを相手にやってますね。サウスポーがそもそも少ない問題も名門クレストなら豊富な人材でクリア出来るのでしょう。そしてコンビネーションの練習も右ミドルと右ストレート、左フック、左ボディ。サウスポー対策、つまり那須川天心対策は半年どころかかなり前から進んでいたと言うことです。この練習はまず間違いなく那須川選手にも有効です。那須川選手も基本の動きが全ての元になっているからです。
もう一つサウスポーが一番嫌いな相手がいます。それはサウスポーです。そもそも少ないサウスポー同士が練習したり試合をする機会はほぼありません。だからサウスポーが相手だと普通は何をして良いのか分からなくなります。THE MATCH 2022ではゴンナパー選手VS白鳥選手がそれに当たります。