那須川天心選手にとっての今回58kg契約というのはどうか。これは前回4月の試合、昨年9月の試合から判断するとやはり天心選手は55kgというのがベストの階級だと判断しているようです。元々55kgという階級自体は那須川選手にとってはあまり魅力的な階級ではなかったはずです。なぜなら相手がいないから。本音は57kg以上をメインに試合したかったはずです。実際におそらく過去最強の相手であったであろうスアキムやロッタン戦では57kgで試合をしていましたし、その二戦を挟んだ辺りの時期は基本57kg以上で試合をしていました。それでも55kgに戻してやってきたということは55kgがキックにおける自分にとってのベストの階級だと判断していたのか、もしかしたらかなり早い段階ですでにボクシングへの転向後の体つくりを進めてきてたのかもしれません。ボクシングであればキックと違って長距離走なのでもう少し筋肉を減らして酸素の消費量を減らす必要があります。身長から判断するとバンタム級かスーパーバンタム級辺り(53〜55kgくらい)ですね。骨格とか見ると下手したらSフライもなくはない。いずれにしても昨年までは明らかに55kgの体つくりをしていました。ちょっと例外なのは、今年4月の風音戦は明らかにコンディションが悪かったですね。間違いなく6月の武尊戦に体を作ってきてました。その中で無理やり体重を落とした感が凄かったです。
この流れを見ると、6月には天心選手は58kgの体を作り上げて来れる確率はかなり低いです。体を作るときは下から上は無理というのは前回述べた通りで、準備期間半年というのも下から上に行くには時間が足りない上に、4月に一度寄り道しています。ですので普通に考えたらむりやり脂肪を乗せた純度の低い体で58kgの体を作ってくるでしょう。要は自己ベストでは出て来れない。どれだけ凄いアスリートでも時間は平等です。そして体の変化も個人差はあれどもすぐには変われない。残念ながら体つくりという点ではすでに武尊選手に何歩も先を行かれています。
と、ここまでは普通のプロの考え。ですが那須川選手は普通どころか超がいくつもつく一流のアスリートです。きっと58kgの体を作って試合に臨んでくれると期待しています。最後は分析ではなく希望とか信仰とかそういうものになってしまいましたが、それでもこの選手がコンディション不足で世紀の一戦に望むとは思えないんです。
とはいえロマチェンコだってドネアだって階級を超える時は失敗もしたし、普通に考えたら厳しいよなぁ。カネロは階級行き来しながらも体作ってるけどそもそもナチュラルじゃなさそうだし。
いや!!きっとベストで出て来てくれるでしょう!!!この試合がどちらかベストで出てこれない状態でなんて見たくない!!!必ず二人とも自己ベストで出て来てくれるはずです!最後はファン目線でした!
ということで次からやっと展開予想、勝敗予想に入ります。お互いが自己ベストの前提で考えていきます。